かごねこ事務局長『こみかん』のこと
『こみかん』は、一斉TNRをした地域にいた元ボス猫。
事故か、虐待か、病気の後遺症か、原因はわかりませんが、斜頸(首が傾いている状態)があります。
そのおかげで、その地域のボスの座を退き、地域でご飯にありつけるのも、最後のほうになってしまっていました。
私たちが出会ったとき、大きな体にも関わらず、小さな猫たちにまで猫パンチをされ、ビクビクしながらご飯を食べていました。
出会ってからずーっとかごねこスタッフで相談を重ね、かごねこへ迎え入れることを視野に入れていました。
一斉TNRに備え、捕獲に入った日。
元ボス猫で肝っ玉が座っているからか、
斜頸があり、脳に問題があるため状況判断ができないからか、
こみかんは、じーっと捕獲されたカゴの中で過ごしていました。
さて、迎え入れるかどうか・・・
元々外で暮らしている子。
家に入れることで大パニックになる子もいます。
やっぱり外がいい!
自由がいい!
そういう子もいます。
元ボス猫だから、意思も強く、突然発狂してしまうことだってあるかもしれない。
そもそも、餌やりさんにも触らせることなく、触ろうとすると逃げるタイプの子だという情報も・・・
でも、なぜか私たちには、心を許していました。
不思議・・・
もし連れて帰ってパニックになったからといって、
外に戻すことは簡単でもないし、
外猫さんを保護するのにはそれなりの心構えがいります。
再度相談しあって、連れて帰ることになりました。
不思議なことに、
保護したその日から、受付が彼の居場所になりました。
ずーっと外にいて、人馴れしていなかった子が、かごねこの場所を気に入ってくれるか不安だったものの、初日から寛ぎ、のびのびと過ごしてくれたのです。
長年ここで暮らしていたかのような落ち着きはらった様子に、地域の餌やりさんもびっくり!!(笑)
そして、かごねこを訪れる方も、
「ずっといた猫ちゃんじゃないんだ!」
とびっくり(笑)
彼の存在感は、多くの人の心を虜にしているようです。
こみかんファンはひそかにたくさんいて、いつも可愛がられています。
なぜ、いかつい顔をしてるのに、『こみかん』か???
桜島出身の猫だからです。
桜島にちなんだ名前にしたくて、候補がいろいろあったのですが、
さすがに『さくらじま大根』はちょっとなぁ・・・ということ、
でっかい体なのに『こみかん』というのがギャップ萌えするのでは?ということで、『こみかん』になったのです(笑)
こみかんが生まれ育った地域には、今もこみかんの子孫や親戚がたくさんいます。
幸い、餌やりさんがみんなをしっかり管理してくださっているので、増え続けることはないです。
こみかんの存在を通して、地域猫の生活や成り立ちを多くの方に知ってもらうことができるといいなと願っています。
もちろん、桜島の良さ、鹿児島の良さも知ってもらえたらいいなと思っております。
これからも、こみかん、そして、こみかんの仲間たちをよろしくお願いします。